次世代スパコン2種

富士通NECからスパコンの話が出てきました。
富士通の方は京の正常進化版を来年1月から出荷開始という話。CPUは45nmから40nmにシュリンクしてコア数を16へと倍増、SIMD命令を拡張といったもののようです。理論演算性能も消費電力もコア数に従ってアップしています。理論メモリ帯域は64GB/sから85GB/sへとクロックアップ風味。ノード写真のメモリの刺さり方からするに8chDDR3-1333でしょうか。とすると京のチップは同じDDR3-1333で6chだったとすれば計算が合います…と言いかけましたが写真を見ると京も同じ刺さり方…適当にググった範囲では書いている資料がなかったのでなんとも言いようがないですね。
水冷周りを含む実装技術やソフトウェア技術では、京を作ったノウハウが活かされていることでしょう。個人的にはCPUがハーフノードなのが微妙に気になりますが、やはり32nmともなると開発がしんどいのでしょうか。というかまあ、ひとりで32nmから22nmにいこうとしているIntelが化け物なわけですが。
一方のNECの方はもう少し先で2013年あたりに製品化というお話。ええ、SX-10?ついに登場です。SX-9で実装が物理的に限界に達したのか、次回作はSoCとまではいきませんが、かなりの部分をワンチップにまとめるようです。マルチコア構成で、理論性能はコア当たり64GFLOPS、理論メモリ帯域はコア当たり64GB/sという数字が出てきています。SX-9では16CPUのノードで1894.4GFLOPS・4TB/sだったので、単純なメモリ帯域/演算性能比で言えば半分くらいの勘定。プレスリリースではコア間の通信、同期処理にも気を配る旨書かれていますが、なによりSX-9の醍醐味であり肝だった?頭のねじが1本取れているとしか思えない(こんな感じ*1)プログラムに有無を言わせないメモリ接続が一体どうなるのかが気になります。
さすがにチップ内に3次元ですさまじい配線でもやらない限り、ベクトルマシンとは言いつつもスカラーマシンとの中間的な構造に落ち着きそうな気はするのですが、はてさてどんなものが出てくるのか、ちょっと注目。

*1:ぱっと見、各CPUが全く均等に512chDDR3で接続!されているように見える。インターリーブ数はもっと